IT業界のグチ

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説明

IT業界についての愚痴をQuoraに書きました。 Quoraは、自分が過去に書いた文章をすぐ見失ってしまうので、こちらに転記します。

本文

日本のプログラマーは職種によってきれいに分断されています。

ビジネスシステム
会社の経理だとか単純ではあるけど、間違うと大騒ぎになるシステム。 いわゆるSIerと呼ばれる会社が1次請けで多重請負になる
パソコンアプリ
素人のフリーソフトからAdobeのツールまでピンキリ。 予算も規模も作り方もピンキリ。 最近は需要がないので、作れるソフトハウスが減った。 OSのアップデートで動かなくなったりするが、なぜかアプリのせいにされる
組み込みシステム
家電など表に出てこないがハードウェアを直接制御するシステム。 ハードウェアに関する知識も要求される
WEBシステム
パソコンアプリが流行らなくなった分、インターネットのサーバーでサービスを提供するようになった。 今儲かっている分、様々なツールを使いこなして、ブイブイ言っている
その他上記の中間にいる人

それぞれの世界に独自の価値観があるのに、みんなプログラマーを自称するから話が噛み合わないのですよね。

例えば、SEという肩書を持っていて、プログラマーより上のヒエラルキーにいるつもりなのはビジネスシステム作っている人。

「AIを使ったらプログラマーがいらなくなる」と騒いでいる人の多くは、WEBシステムを作っている人です。

私なんか一応全部体験しているから「噛み合わない話をしているな」と遠くから眺めているのですが、中にいる人にとっては一大事なのでしょう。

それではっきり言うと、システム開発って作業する人の特性に大きく依存するところがあって、ルールを作ったり作業者の学歴をそろえたりしても、管理できないんですよ。 いや、そもそもITエンジニアを「管理しよう」という発想自体が間違っている気がします。 天才一人と下っ端10人で大抵のシステムが作れちゃいます。

1970年ころですが、『ソフトウェア工学』なんて学問があって『ソフトウェア工場』とか言って、プログラマーを大部屋に詰め込んで労働集約的な作業をさせたがった人たちがいます。 ビジネスシステムみたいに頭を使わないシステムならそれで作れるかもしれませんが、組み込みシステムは作れません。

システム設計をルールで管理する発想もビジネス分野です。 『ソフトウェア企画書』『外部仕様書』『内部仕様書』と書類を積み上げて、工程管理して、なんとか顧客の求めるものを作れます。 三菱電機がその手法を採用していましたが、プログラマーの平均生産性は一人月200行です。

WEBシステムは書類を積み上げても作れません。 そもそもシステムを作っているうちにブラウザがバージョンアップしてJavaScriptの挙動が変わったりします。 書類を書いていたときの仕様を備えた環境なんて、完成する頃にはもうどこにもありません。

そうかと思うと、ソニーみたいに担当者の裁量に任せっきりの会社もあります。 管理職が評価を放棄しているから、エンジニア間でマウント合戦になって、技術を知らないけど口の達者な人間が出世してゆきます。

困ったことに複数分野を横断した経験は、エンジニアにも管理職にもありません。 狭い範囲の自分の経験で「あーでもないこーでもない」と議論しています。 そもそも自分の所属する分野によって前提が大きく違うので、分野が違えば話が噛み合うわけないのです。

エンジニア同士でさえこの状況なのに、経営者はもっと世間知らずです。 少ない経験と業界紙のあおり記事でわかったつもりになって現場をかきまわします。

しかも日本のJTCは、年功序列です。 マネージャーが技術をわかっていないから、これまた現場をかき回します。 日本のプログラマーは何重にも間違った管理をされているとしか思えません。

日本にもリチャード・ストールマンとかスティーブ・ウォズニアックみたいなエンジニアがいるのですが、間違った組織論の中で潰されています。 偉そうな口をきくのは、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツみたいな口先だけの人。 みんな、実力なくても調子良い事言う人のほうが好きですからね。

一人の天才に大きな予算を与えれば、シリコンバレーみたいにベンチャー企業が巨大産業に育ちます。 でも平等を唱えてそれをできないのが、日本の同調圧力です。 まあ、資本家には本物の天才とダメな自称天才の区別もつかないでしょうが。 そして、ダメ元で儲かりそうな分野に片っ端から投資するだけの根性もない。

日本の失われた30年は、IT業界についてはなるべくしてなった結果のように、私には見えます。

掲載日

2026年1月23日 初出

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